後眼部の解剖

水晶体の裏面から網膜までを後眼部といいます。後眼部は硝子体という透明のゼリー状の組織で満たされています。この硝子体は眼球の外側を覆う強膜とともに眼球の形を保つ役割を担いますが、後眼部疾患の発症に大きく関与します。
硝子体が粘稠であるために、隣接する網膜を内側に引っ張る力が働きます。これにより、網膜に孔が開くと続いて網膜剥離をきたします。網膜の中心部の黄斑に孔が開くと黄斑円孔となります。サイトカイン等の炎症を誘発する物質が硝子体にまとわりつき洗い流され難いために眼内の炎症が持続したり、網膜牽引との相互作用により黄斑浮腫が持続したりまします。また、網膜新生血管などの硝子体内で出血する疾患では、出血が硝子体に付着し留まるために視力低下した状態がなかなか改善しません。

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